法的に義務づけられているため

労働安全衛生規則第110条では、「事業者は、動力により駆動される機械に作業中の労働者の頭髪又は被服が巻き込まれるおそれのあるときは、当該労働者に適当な作業帽又は作業着を着用させなければならない」とされています。
機械の操作にかかわらない業務もあるため、すべての作業に当てはまるわけではないものの、作業着の着用は法的に義務づけられているのです。

出典：労働安全衛生規則

効率的な作業を行うため

作業着の着用は、工場作業の効率を向上させる役割も果たします。具体的な効果としては、以下の点があります。

・自由度の高い動き

適切な作業着は身体を締め付けず、自由な動きを可能にします。これにより、作業員はストレスなく作業を行うことができます。

・多機能性

作業着には、多数のポケットがあります。これにより、作業中に必要なツールを手軽に取り出すことができ、作業効率がアップします。

・熱対策

工場内は機械が稼働するため高温になりやすいです。作業着は通気性があり、熱中症を防ぐ役割を担っています。

製品の品質保持を実現するため

作業着の着用は、製品の品質を保つためにも重要です。例えば、食品工場や製薬工場では、作業中に発生する微細な髪の毛やホコリが製品に混入することを防ぐために、特別な作業着の着用が求められます。

食品工場

食品工場では、品質保持と衛生管理が非常に重要です。大半の工場では、不織布で作られたつなぎや白衣が作業着として指定されています。また、毛髪の混入を防ぐために、帽子やマスクを着用することが多いです。

精密機器工場

精密機器にホコリやゴミが入ると、誤作動や欠陥の原因になる可能性があります。そのため、作業着に制電加工を施し、ホコリやゴミが付着しないようにすることが一般的です。

溶接設備のある工場

溶接など高温での作業が行われる工場では、燃えにくい素材の作業着が使用されます。火傷を防ぐために、肌の露出を最小限に抑えていることも特徴です。また、足元の保護のために、足のつま先や甲に金属板が入った安全靴を履くこともあります。

規定やルールを守って着用する

工場では、作業着に関して規定やルールが定められていることがあります。作業着が貸し出される場合も自前の作業着を着用する場合も、工場のルールに従うことが重要です。例えば、作業着のボタンをきちんと留める、短パンやサンダルの着用禁止などが挙げられます。これらのルールは、労働者の安全を守るために設けられています。

作業着は清潔に保つ

作業着は、工場が管理する場合と個人で管理する場合に分かれます。個人管理の場合は、作業着を清潔に保つことが大切です。特に食品工場など衛生管理が厳しい場合は、作業着の洗濯や管理についてのルールが設けられていることがあります。ルールに従って、清潔に保ちましょう。

アクセサリーや時計は着用しない

ほとんどの工場では、アクセサリーの着用が禁止されています。許可されている場合でも基本的には外すことが望ましいです。アクセサリーをつけていると製品を傷つけてしまう場合や、取れて製品に混入してしまう場合があり、品質を損なう可能性があります。