ステップ1｜パーツの取り外しから始める

まず行うべきは、ファンとバッテリーの取り外しです。どちらも水濡れ厳禁の精密機器なので、そのまま洗濯してしまうと故障やショートの原因になります。バッテリーは電源をしっかりオフにしたうえで、接続コードを外し、端子部分に汚れがついていないか確認しましょう。

取り外したファンやバッテリーは、乾いた柔らかい布で汚れを優しく拭き取り、直射日光や湿気を避けた風通しのよい場所に保管しましょう。

ステップ2｜洗濯表示タグを確認する

ファン付き作業着の多くは、高機能素材を採用しています。これらの素材は軽量で通気性に優れている一方で、熱や摩擦に弱いという特徴もあります。そのため、洗濯機を使用する前に必ず洗濯表示タグを確認し、水温の上限や洗濯方法の指定、乾燥機やアイロンの可否などをチェックしましょう。

ステップ3｜実際の洗濯方法と乾かし方

泥汚れがひどい場合は、あらかじめブラシなどで払い落とすと、生地への負担を軽減できます。油汚れや汗じみが目立つ部分には、中性洗剤を使って部分洗いを施すのがおすすめです。

洗濯機で洗う際は、ファスナーやボタンを閉じ、必ず洗濯ネットに入れてください。生地の摩耗や糸のほつれを防ぐ効果があります。脱水は長時間かけず、1分程度の短時間設定にすることで、衣類へのダメージを抑えられます。

その後は、通気性のよい日陰に吊るしましょう。直射日光は素材の劣化や色あせを招くため避け、風が通る場所でじっくりと乾かすのがポイントです。

ステップ4｜正しい保管方法で次シーズンも安心

洗濯が終わったら、しっかりと乾燥させることが大前提です。わずかでも湿気が残っていると、保管中にカビやにおいの原因になってしまいます。

完全に乾燥したことを確認したら、防虫剤や乾燥剤と一緒に、通気性のよい布製の袋や不織布ケースなどに入れて保管しましょう。ファンやバッテリーは精密機器にあたるため、本体とは別に収納し、防水・防塵性のある専用ケースやジップ付きの保存袋に入れておくと安心です。きちんと手入れと保管をしておけば、次のシーズンもトラブルなく快適に使えます。

「乾いたつもり」が一番危険

内部に水分が残ったままファンを装着すると、ショートや故障の原因になります。「なんとなく乾いている」ではなく、確実に乾いていることを確認してから再装着しましょう。

柔軟剤や漂白剤は「逆効果」になることも

柔軟剤は空気を通しづらくなり、漂白剤は生地を脆くします。洗剤は中性洗剤を基本とし、頑固な汚れには固形石けんや専用クリーナーを使うのがベストです。

毎回洗うより「清潔を保つ工夫」を

インナーをしっかり着用する、汗をかいたらすぐ拭き取る、防汚スプレーを使うなどして、頻繁に洗わなくても清潔を保てる工夫をしましょう。摩耗を防ぐための実践的な方法です。

汚れの性質を見極めて対処する

汚れには「水溶性」「油溶性」「不溶性」の3タイプがあり、それぞれに合った洗浄方法を選ぶ必要があります。汚れの種類に合わせた前処理と洗剤の使い分けが、汚れ落ちを格段に高めます。

ファンユニットのメンテナンスも忘れずに

空調服の性能を維持するためには、ファンユニットの定期的なメンテナンスが欠かせません。ファン部分にホコリやゴミがたまると、風量が弱くなったり、異音が発生したりする原因になります。

とくに現場での使用が多い場合は、日々の汚れが蓄積しやすいため注意が必要です。お手入れの際は、故障を防ぐためにも濡れた布ではなく、乾いた柔らかい布や綿棒を使って丁寧に掃除しましょう。隙間に入り込んだ細かいホコリも取り除くことで、快適な着用感を保てます。

汚れがひどい時は「浸け置き＋手洗い」が効果的

とくに鉄粉や油汚れが多い現場では、いきなり洗濯機に入れるのではなく、まず40℃前後のぬるま湯に中性洗剤を溶かして15分から30分浸け置きするのが効果的です。その後、汚れが残っている部分だけを手で軽くもみ洗いし、洗濯ネットに入れて洗うと、生地を傷めずきれいに仕上がります。

洗濯後のアイロンや乾燥機は使ってもいい？

基本的にファン付き作業着はアイロンNG、乾燥機も避けたほうが安心です。高温は素材を傷めるだけでなく、撥水加工などの特殊機能を劣化させる可能性があります。どうしてもシワが気になる場合は、洗濯後にしっかり形を整えてから干す「形状安定干し」がおすすめです。